顔や目もとにムズムズとあらわれる不快なかゆみ。
一度かゆみを覚えると気になって、勉強や仕事に集中できなくなることがありますよね。
また、かゆみを取り除こうとして爪でかきむしり、肌が赤くなったり、腫れや炎症を起こしてしまうことも。
肌のかゆみは、どのようにして起こるのでしょうか。
また、かゆいときはどのように対処するのが正しいのでしょうか。わかりやすくご紹介します。
肌のかゆみはなぜ起こるの?
そもそもかゆみは、私たちにとって大切な皮膚の感覚です。
たとえば肌に異物がついているときはそのことを知らせ、異物や刺激から肌を守る働きをします。
さらに、アレルギーや内臓疾患があるときなども
体の異常を知らせるサインとしてかゆみが起こることがあります。
かゆみの刺激を受け取るのは肌ですが、実際にかゆみを感じているのは脳です。
刺激を受けたり、アレルギー反応が起こったりすると、ヒスタミンをはじめとしたかゆみ物質が放出されます。
肌にある知覚神経の末端がその信号を受け取り、「かゆみ」として脳に認識されるのです。
かゆみをもたらす原因とは
次に、実際にかゆみをもたらすものについて見ていきましょう。
花粉、アクセサリーなどによるアレルギー
特定の物質が肌に接触することでヒスタミンが分泌され、かゆみや赤みをともなう炎症を起こすことがあります。
たとえば肌に合わない化粧品やヘアケア製品、洗剤や薬品、ゴム手袋などさまざまなものが考えられます。
漆(ウルシ)などの植物や、アクセサリーなどの金属製品でも起こることがあります。
このように、肌に触れて起こる炎症やかゆみを「かぶれ」と言います。
汗・あせも
肌のバリア機能が低下していると、汗に含まれる塩分や皮脂も肌の刺激となることがあります。
特に顔や目もと・首もとは汗をかきやすいので、かゆみが起こりやすくなります。
また、夏は汗の分泌量が急激に増えることで、汚れや皮脂で汗腺がつまり
水泡状のあせもができることがあり、あせもによってかゆみや炎症を起こすこともあります。
乾燥やバリア機能の低下
私たちの肌は、外側から表皮・真皮・皮下組織の三層になっています。
なかでも表皮のもっとも外側にある角層では、紫外線やホコリ、ウイルスや細菌などの侵入を防ぐとともに
肌の内部から水分が失われるのを防ぐ「肌のバリア機能」が働いています。
しかし、空気の乾燥や紫外線、睡眠不足などによって角層の水分量や保湿成分が減少すると
「肌のバリア機能」が低下。肌の内側から水分がどんどん失われて、乾燥肌になってしまいます。
また、乾燥肌になると、本来であれば表皮と真皮の境界部にとどまっている
知覚神経の末端が角層のすぐ下まで伸びてきます。
このため知覚神経が敏感になり、衣服のこすれ、花粉や大気中のホコリ、ハウスダスト
いつも使っていた化粧品など、ちょっとした刺激にもかゆみを感じるようになってしまいます。
上記のほかにも、紫外線、虫刺されや食物アレルギー、急激な温度変化、疲労やストレス、薬の副作用など
さまざまなことが原因でかゆみを感じることがあります。
原因がわからない場合やかゆみがなかなか鎮まらないときは
病院で原因を特定する検査を受けると、日常生活で何に注意すればよいかわかるようになります。
顔や目もとがかゆいと感じたら?
では、顔や目もとかゆいときはどのように対処するのが正しいのでしょうか。
かゆいからと肌をかくのはNG
顔がかゆいと、つい爪を立ててボリボリかきたくなりますよね。
しかし肌をかきむしると弱くなっている角層をさらに傷つけてバリア機能を損ない
赤みや湿疹など、さらなる肌トラブルに発展することがあります。
加えて、爪で角層をかき壊すことによって周りの肌にもダメージを与え、かゆみを感じる場所が広がる可能性も。
かゆみを感じたときは患部を冷やし、別のことに意識を集中させて気を紛らわせるのがよいでしょう。
特にまぶたや目の周りは皮膚が薄いうえ、ひんぱんにアイメイクをしたり
落としたりすることで刺激を受けやすい部位です。
かゆいからとゴシゴシこすっていると、いっそう刺激してしまうばかりか
眼球の角膜を傷つけてしまう可能性もあるので気をつけましょう。
洗顔のポイント
毎日のスキンケアでは、肌を刺激しないことが大切です。
洗顔するときは、肌をゴシゴシこすったり、熱すぎるお湯ですすいだりしないようにしましょう。
また、かいた汗をそのままにしていると、肌のうえで雑菌が繁殖し
かゆみが強まることがあります。汗はこまめにやさしく拭き取るか、軽く水洗いしましょう。
スキンケアやメイクのポイント
洗顔や入浴後は肌から急速に水分が奪われているので、すみやかに保湿しましょう。
肌に合ったスキンケア化粧品で保湿ケアを行うことで、すこやかな肌をキープすることができます。
まず化粧水で水分を補い、肌をふっくらやわらかくしてから
乳液やクリームで保湿成分や油分をバランスよく補います。
特に乾燥が気になる季節は、保湿ケアを丁寧に行いましょう。
落ちにくいしっかりメイクはクレンジングの際に肌をこすってしまい、乾燥を悪化させることがあります。
メイクを薄めにする、一旦やめてみるなどの工夫をとり入れるとよいでしょう。