人生を80年とした場合、個人差はありますが人は約25年間分眠っているといわれています。
25年間、自分の体と心そして脳が最もリラックスしている状態で過ごす寝室は
家の中のどの空間よりも快適であることが求められるのです。
「今日のダメージを無害化」し、「明日の活力を充電」する質の高い眠りは寝室空間全体でつくられるので
「寝室は人目につかないから」とコーディネートを怠るなんてもってのほか。
ぐっすり快眠を誘ってくれる寝室空間のつくり方にはいくつかのルールがあるのでご紹介します!
落ち着いた色のトーンで揃える
コントラストの強い色は避け、優しいトーンで統一しましょう!
色に対する筋肉の緊張度合を示す値である「ライト・トーナス値」の数値が低ければ低いほど
リラックス感が得られる色だといえます。
掛け布団カバーやカーテン、カーペットなど、寝室内の大きな面積を占めるアイテムに関しては
ライト・トーナス値が低いアイボリーや黄緑色、水色、ピンクなどを使用しましょう。
落ち着いた色で寝室空間を整えることで、心拍数や呼吸数、血圧も安定して安眠がサポートされます。
シンプルを徹底する
脳の潜在意識の中で、「寝室イコール眠る場所」という意識を根付かせることが熟睡空間づくりのポイントなので
寝室には眠ること以外に必要となる余計なものは一切置かないほうがベター。
さらに、テレビや本棚、全身鏡などの大きな家具は極力寝室には置かず、なるべくシンプルな空間に統一するのが理想的です。
地震などによる影響で大きな家具が倒れてくる可能性があると、その危険性が不安要素になり
寝室が安心モードになれる場所でなくなってしまいます。
どうしても大きな家具を設置しなくてはいけない場合は、必ず家具を固定するアイテムなどを活用するようにしましょう。
また、空気清浄機や加湿器、温湿度計、間接照明などは快適な眠り空間に欠かせないアイテムなので、常に置いておくことをおすすめします。
寝床内環境を保てる温熱環境
寝具と体の間にできる小さな空間を「寝床内気候」と呼びますが
快眠維持のためには寝床内気候の温度を32~34℃に保つ必要があります。
この適切な温度をつくるためには正しい寝具の活用と併せて、寝室内の気温設定も重要です。
日本には4つの季節があり、暑い夏や寒い冬は良質な睡眠がとりにくいシーズンともいわれています。
夏には冷房や扇風機、冬には暖房やサーキュレーターなどを用いて
各季節に合わせて暑すぎず寒すぎない寝室内環境をつくるように意識しましょう。
夜はぐっすり眠り、日中はスッキリと活動できる。
昼と夜、そして覚醒と睡眠のリズムがしっかりできていると、心身のリズムが整って健康的な生活を送れます。
逆に、生活習慣が乱れ、睡眠と覚醒のリズムがバラバラの状態で、風邪などの病気にもかかりやすくなってしまいます。
体内時計をメンテナンスする
私たちの体を作っているほぼすべての細胞には、体内時計があります。
人間の体内時計は24時間より少し長いので、毎日リセットして外界の24時間に合わせなければなりません。
そのためには、規則正しい生活やしっかり光を浴びることが大切です。
次の5項目は、体内時計を整えて生体リズムを規則正しくする習慣です。
できているかいないかを、チェックしてみましょう。
- 毎日、ほぼ決まった時間に起きている
- 朝食は、よくかみながら食べている
- 午前中に太陽の光をし かり浴びている
- 8時間睡眠にこだわらず、自分に合った睡眠時間を規則的に守っている
- 睡眠時間が不規則にならないようにしている
ぐっすり眠るためにしっかり目覚めていることが大切
睡眠と覚醒は、振り子のようなものです。
明るい時間帯にしっかり目覚めていると、夜にはぐっすり眠れます。
しかし、日中の覚醒度が低いと、夜に寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。
たとえば、休みの日に遅い時刻まで二度寝をくりかえしていると
目覚めてからもなかなか眠気が取れないのは、これによるものです。
日中にシッカリ目覚めておくためには、太陽の光を浴びて、活動的に過ごすことが大切です。
日中や就床前の良好な覚醒状態を確保するための生活習慣は、次の7項目です。
- 日中はできるだけ人と会っている
- 日中はたくさん歩いて活動的に過ごしている
- 趣味などを楽しんでいる
- 日中は太陽の光に当たっている
- 昼食後から午後3時の間に、15~20分(55歳以上では30分以内)の昼寝をしている
- 夕方に軽い運動や、体操や散歩をしている
- 夕方以降は居眠りをしていない
「1日頑張って疲れたけど、ここにくると落ち着く」そう思える空間こそが寝室のあるべき姿です。
梅干しを食べると唾液が出るといったような一種の条件反射と同様に
「寝室=リラックス=ぐっすり」という一連のフローが出来上がることが快眠空間の目指すところ。
何から取り掛かったら良いか分からない場合は、寝室空間全体を見渡して
「眠ること」に必要なものと不必要なものを仕分ける作業からぜひ始めてみてくださいね。