睡眠の質を上げる方法とは?質が重視される理由

◯ Health

たくさん寝たはずなのになんだか疲れが取れない……。

「もしかして睡眠の質が悪いのかも」と、気になったことがある方もいるかもしれません。

忙しい毎日のなかで、なにかと犠牲になってしまうのが睡眠時間ですが

最近は睡眠の「量」ではなく「質」が重視されるようになってきています。

睡眠の質を上げる方法や、睡眠の質が重視される理由をご紹介します。

睡眠の質が重視される理由

睡眠には、心と体の疲労を回復させるほか、記憶の定着やホルモンバランス、自律神経の調整

免疫力の向上、脳の老廃物の除去など、さまざまな重要な働きがあることがわかっています。

私たちの体にとって重要な「睡眠の質」が悪くなると、生活習慣病のリスクを高めたり

症状を悪化させたりするなど、健康上の問題や生活に支障が生じるおそれがあります。

しかし、睡眠の質の良し悪しを、自分で正確に判断するのは大変です。

そんなときには、「ぐっすり眠れた」「スッキリした」「疲れがしっかり取れた」といった

主観的な感覚で判断して問題ありません。

睡眠不足がもたらすリスク

睡眠の質を追求する前に、そもそも睡眠時間が足りていない方もいるのではないでしょうか?

日本人の睡眠時間は、世界一短いといわれています。働く世代の平均睡眠時間を比較すると

ヨーロッパのほとんどの国で男女とも8時間を超えているのに対し

日本は男性が7時間52分、女性が7時間33分で、睡眠時間の短い人が多いというデータがあります。

睡眠不足は、生活習慣病の引き金になってしまうこともあるため、要注意です。

睡眠不足が続くと緊張状態を保つ交感神経が優位になるため、高血圧の原因になるとされています。

また、睡眠不足は、血糖値の上昇を抑えるインスリンの働きを悪くするため、糖尿病の発症リスクを高めます。

さらに、インスリンのほかにも食欲を調整するホルモンにも影響し、食欲を増大させるため、肥満にもつながると考えられています。

高血圧・糖尿病・肥満は、いずれも心疾患や脳血管疾患のリスクを高める「動脈硬化」の危険因子です。

つまり、睡眠不足は狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患にもつながります。

睡眠不足が続くと、「うつ症状」が現れやすくなります。

フィンランドの研究によると、十分な睡眠を取っている人と比べて

週5日不眠の人はうつになる確率が1.64倍、週2~4日不眠の人は1.46倍になると報告されています。

適切な睡眠時間は人それぞれ異なりますが、平日と休日を比較し

休日に1時間半以上長く寝ている人は、慢性的な睡眠不足の疑いがあるかもしれません。

睡眠の質を上げる方法

心身の健康に大切な「睡眠の質」ですが、具体的にはどのように高めていけば良いのでしょうか?

ここからは、睡眠の質を上げる方法をご紹介します。

規則正しい生活

睡眠の質を上げるためには、「規則正しい生活」が何よりも大切です。

人間の体には、生命活動を営むための「体内時計」が備わっています。

体内時計は、朝の光を浴びるとリセットされ、1日24時間のリズムに体を合わせていきます。

この体内時計のリズムに合わせて規則正しい生活を送っていれば

夜になると自然と睡眠の準備が整い、質の高い眠りを得られるのです。

まずは、規則正しい生活を送り、一定の睡眠時間を確保しましょう。

体内時計を正しく刻むうえで、重要なのが「光」です。

日中は太陽の光を浴び、夜はなるべく光を避けましょう。

スマートフォンやテレビは良質な睡眠の妨げになるので要注意です。

運動習慣を身に付ける

運動の習慣によって、寝つきが良くなり、深い睡眠が得られるようになります。

激しい運動は逆に睡眠を妨げてしまうため、早足の散歩や軽いランニングなど

負担が少なく長続きするような有酸素運動がおすすめです。

睡眠の質を上げるのに特に効果的なのは、夕方から就寝約3時間前のタイミングで行なう運動だといわれています。

眠る直前の運動は体を興奮させてしまうため、やめておきましょう。

入浴して体を温める

ホルモンの生理的な変動で体温は日中に上がり、夜に下がる性質があります。

入浴で体温を一時的に上げ、風呂上がりに自然に下がっていくことで入眠がスムーズになり、睡眠の質が高まります。

入浴のタイミングは、就寝の2~3時間前が効果的です。

38~39度のお湯なら30分程度、42度の熱めのお湯なら5分程度の入浴で体温を0.5度くらい上昇させることで、寝つきが良くなります。

半身浴でも同様の効果があるため、体調や好みに合った入浴を選択しましょう。

寝るための準備をする

寝室の環境は睡眠の質と関係しているため、寝るための準備も大切です。

温度・湿度・照明・音・寝具や寝るときの服装に気を配り

静かで暗く、季節に合わせて快適と感じる温度・湿度を保ちましょう。

また、コーヒーや紅茶など、カフェインが入っている飲み物を就寝前3~4時間以内に飲むと、睡眠の質が下がったり

途中でトイレに起きたりすることがあります。カフェインの摂取は夕方までにし、就寝前の喫煙や節度を超えた量の飲酒も避けましょう。

寝る前にスマートフォンを触るのが日課という人も多いかもしれません。

しかし、寝る前に強い光を目に入れたり、脳が興奮する情報に接したりすると、睡眠の質が低下します。

寝る前にはスマートフォンやパソコン、ゲーム画面やテレビなどを見ないようにしましょう。

睡眠は量より質

一日約8時間眠るとすると、人生の約3分の1は睡眠時間です。

睡眠は、疲れた心と体を休ませるために欠かせません。

「ぐっすり眠れた」「スッキリした」「疲れがしっかり取れた」といった感覚がない人は要注意です。

睡眠の質が低下すると、健康上の問題や生活に支障が生じることもあります。

この機会に、規則正しい生活や運動習慣、入浴や寝るための準備といった身近な生活習慣からコントロールし

睡眠の「質」を見直してみてはいかがでしょうか?

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