日中の大半を過ごすオフィス、通勤や移動で利用する電車、一息つくために入ったカフェ…
夏はエアコンの効いた場所で過ごす機会が増えるため、肌の乾燥が進むことがあります。
夏ならではの乾燥原因について探るとともに、保湿ケアのポイントについてご紹介します。
夏にエアコンを使うとなぜ肌が乾燥?
冷房の効いた室内の湿度は、1時間で約40%まで下がるといわれています。
これは、真冬の湿度とほぼ同じ状態。
乾燥した室内で長時間を過ごしていると、肌のもっとも外側にある表皮の角層から
水分が奪われてごわつくとともに、保湿機能やバリア機能が低下します。
角層の水分量が足りない状態が続くと、肌は新しい角層細胞をどんどん作り出そうとターンオーバー(肌の生まれ変わり)を早めます。
すると、バリア機能や保湿機能が十分ではない未熟な細胞が増えてしまい、肌がますます乾燥してしまうので気をつけましょう。
エアコンだけじゃない!夏は乾燥要因がたくさん
冷房が効いた室内を一歩出ると、強い日差しや高温多湿の環境にさらされますよね。
これらもまた、肌を乾燥させる要因となることがあります。
たとえば、夏の日差しに多く含まれる紫外線(UV-B)は、肌表面に炎症を起こして日焼けの原因に。
日焼けを起こした肌は水分が失われ、乾燥が進みます。
紫外線は肌のバリア機能も低下させるため、肌荒れを起こしやすくなってしまいます。
また、夏は汗をかく量が増えますが、汗をそのままに放置していると、蒸発するときに肌のうるおいまで奪ってしまいます。
汗をかいたらそのままにせず、濡れタオルなどでこまめに拭き取りましょう。
暑さのせいで食欲が低下するのも、肌の乾燥と無縁ではありません。
冷たい飲み物ばかりとると、身体が冷えて血流が滞りがちに。
また、そうめんなどあっさりした食事ばかり選んでいると
肌に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足することもあります。
乾燥を防ぐ日中の保湿ケアのポイント
ミスト化粧水は肌表面に水分を与えて保湿するとともに、汗や皮脂でべたついた肌をさっぱりさせてくれますよね。
つけ直したメイクを定着させてくれる働きもあります。
しかし、エアコンによる湿度低下にさらされている肌に水分だけを補っても、すぐに蒸発して乾燥してしまいます。
ミスト化粧水を選ぶときは、油分も一度に補えるオイルインタイプのものを選ぶのがおすすめです。
さらにその上から、皮脂膜の代わりとなるクリームやバームをのばすと、肌から水分が蒸散するのを防ぐことができます。
低下した肌のバリア機能を助け、外部刺激から肌を守る働きも期待できるでしょう。
また、夏は「皮脂の量が増えてべたつくから」と、洗顔回数を増やしたり
ゴシゴシと力を入れて洗顔したり、乳液やクリームを省いて化粧水だけの自己流ケアを行う人もいますよね。
こうしたケアは肌を乾燥させ、かさつきやごわつき、毛穴の開きなど肌トラブルの原因になることも…。
夏のスキンケアは化粧水だけで済ませるのではなく、乳液またはクリームをきちんと使い、水分と油分をバランスよく補いましょう。
オフィスや公共施設の冷房は、自分に合わせて調節ができないもの。
いつのまにか肌が乾燥し、かさつきやごわつきを起こしていることがありますよね。
携帯用のミスト化粧水などはメイクの上からも使えて便利ですが、油分も一緒に補ってあげるのを忘れないでくださいね。
肌から水分や皮脂が失われて乾燥した「ドライスキン」の状態になると、肌荒れのほか、皮膚がかゆくてたまらなくなることがあります。
まずはかゆみを抑える
肌のかゆみを感じるとき、多くの場合、ヒスタミンという「かゆみ物質」が関係しています。
皮膚になんらかの刺激が加わると、肥満細胞という細胞からヒスタミンが分泌され、知覚神経を刺激。
知覚神経から脳に「かゆみ」として伝達されます。
かゆいからと爪で肌をボリボリかくと、知覚神経から神経ペプチドが放出され
さらなるヒスタミンの分泌を促します。かけばかくほどかゆみがひどくなってしまいます。
肌がかゆくてたまらないときは、「冷やす」ことが一番です。冷やすことで知覚神経の興奮を鎮めると、かゆみを抑えることができます。
保冷剤をタオルやハンカチに包んでかゆい部分に当てたり
冷たいシャワーを肌に当てて冷やしましょう。かゆみや炎症を鎮める治療薬を使うのもおすすめです。
角層のバリア機能を保つスキンケアを行う
スキンケアでは、乾燥を防ぐことが何よりも大切です。
かゆみを脳に伝える知覚神経の末端部分は本来、肌の奥に存在しています。
しかし、肌から水分が失われた状態が長く続くと、知覚神経の末端は角層のすぐ下、体の表面の近くまで伸びてくるのです。
そのような状態では、わずかな物理的刺激にもかゆみを敏感に感じ取るようになってしまいます。
かゆみを防ぐためにも、肌にうるおいを与えて角層のバリア機能を守りましょう。
かゆいとつい爪でかきむしりたくなりますが、さらにかゆみが悪化することも…。
かゆみの対処法を知り、すこやかな肌で快適な毎日を目指しましょう。